たまりば

多摩の地域情報 多摩の地域情報八王子市 八王子市

圏央道あきる野裁判、判決は国の主張うのみ!

2/23、圏央道あきる野控訴審の判決を傍聴に行ってきました。







圏央道青梅~あきる野IC間は、すでに供用されていて車が走っているけど、日の出ICとあきる野ICは2kmしか離れておらず、笑っちゃうほど必要性を感じない。そんなもののために素晴らしい里山の風景と終の棲家と決めた家を奪われた人たちがいる。2年前の一審判決は、住民側の請求を全面的に認め「圏央道は違法」としたのは、普通の人間的な感覚として当然って感じだったけれど、裁判長が国の考えを否定したわけだから大ニュースになった。石原都知事は「変な裁判官」なんて言ってたけど、わたしからみたら、あんたが変な知事!







でも、変なのは石原都知事だけじゃなかった。高裁で一審判決はひっくり返され、ぜーんぶ国の主張をうのみ…







 この日、虔十の会は3名が仕事を休んで傍聴(裁判ってなんで平日しかやってくれないんでしょね)。傍聴は抽選だったけれど運よく3人とも当たる。主文を大喜多裁判長が読み上げる。小さな声で「・・・取り消す」「・・・棄却」「・・・却下」「・・・棄却」。裁判用語ってよくわからないけど、とにかくこっちには不利なんだなってことはわかる。読み上げは2分足らずで終わり、それで閉廷。あっけなさに拍子抜け!







その後、四谷で弁護士を迎えて報告会が行なわれた。ここで弁護士の話を聞かなきゃ何が何だかわからない。







 今回の判決理由は、「圏央道整備により、あきる野IC周辺の地域道路の混雑が緩和、改善され、周辺地域の公共の利益が図られる」とし、環境被害については「環境影響評価の手法、内容に不適切、不合理な点はない上、騒音、大気汚染は環境基準以下で、得られる利益の方が失われる利益より優越する」だから国の勝ちっ!ということらしい。だったら「不適切、不合理じゃない」とか、「公共の利益」と言っている根拠は?というと国の提出した資料は正しい、だってそれは国がやってることだからっていうわけのようだ。







弁護士さんが言うには、この裁判長は「SPM(浮遊粒子状物質)予測やらなくていい」なんて信じられないようなことを言ってるらしい。







最高裁への提訴が即刻決まったけれど、日本の裁判ってどうなってるんだろうと考えてしまう。国だろうが個人だろうが、金持ちだろうが貧乏人だろうが、裁判所に入れば原告と被告として対等に自分の正当性を主張する権利があるはず。その一方にしか耳をかさないなんて裁判以前の問題なのでは?国が間違っていたら平然と国に敗訴を申し渡すかっこいい裁判長はこの国にはわずかしかいないのかなぁ…







あきる野の裁判で、もし勝てば高尾山のトンネル工事も止まる可能性が出てくる。でも、こんな裁判なら期待なんてできない。どうすればいい?これまでの裁判で、まともな判決が出てるのは世論が変わっていった時。裁判長は世の中の常識に弱いらしい。世の中の常識が、「高尾山にトンネルを掘るなんて非常識もいいとこ!!」になればいいわけだ。







高尾山ツリーダム、ガイド、グッズ、高尾山天狗トレイルなどのたくさんのイベント…わたしたちが持ってるツールをフルに活用しなくちゃ。一番大切で強いツールは高尾山の豊な自然環境。たくさんの人が高尾山に直接触れ、五感を通して「大事」って思えたら…きっと変わる。













注:一審判決(まともな判決)、公害弁連の解説(ニュース141号内)は以下のアドレスにあります。







http://www1.jca.apc.org/kougai/news/news141.html







(報告マキタ&文章サカタ)



















  • 同じカテゴリー(圏央道)の記事
     国交省が壊せなかったもの (2008-11-19 04:35)
     雪の八王子城 (2005-12-19 23:25)
     高尾山にトンネルは似合わない (2005-11-15 23:39)
     【天狗集会とパレード】高尾山音頭で大盛況! (2005-08-16 17:54)
     勉強会in裏高尾 (2005-08-04 17:09)
     高尾山圏央道トンネル工事反対署名 in パタゴニア渋谷店 (2005-02-12 14:46)

    2006年03月07日 Posted by虔十の会(ケンジュウノカイ) at 21:27 │Comments(7)圏央道

    この記事へのコメント

    土地の明渡し前日、坂本さん宅で泣きながら飲んだことを思い出します。亡き中村文太さんは、あの世できっとこの判決を聞いて悔しがっているにちがいない。庭に古墳があるような本当に素敵な家だったのに。
    人にはかけがえのない大切な場所っていうのがある。そこの空気や土の匂い…そんな事を大切に思う人の想いも守ること、自然を守るとか大事にするっていうのはそういうことでもあるでしょ?ものすごく腹がたっています。
    Posted by マサ at 2006年03月08日 01:35

    たんなるワガママでしょう。
    少しは他人の迷惑、公ということを知るべきです。
    そこでなければダメという理由はないのだから、別な場所に引っ越したほうがよいのでは。
    圏央道はここじゃないとダメなんだから。
    Posted by ポルコ at 2006年03月08日 23:23

    >ポルコさん
    なぜ、圏央道はここじゃないとダメなのでしょうか?
    大切に思う人の想いを守りたいんだ、と叫ぶことさえ許されない「公」って何なのでしょうか?
    Posted by at 2006年03月09日 09:48

    ポルコさんは、なぜ圏央道があきるのを通らないとダメだと思うんですか?
    「少しは他人の迷惑、公ということを知るべきです。」って言いますけど、いったい誰にとっての公共性なのでしょうか?あなたの意見だと近隣のサマーランドや八王子商工会議所の(つまり利益誘導者の)言っていることと全く同じですよ。
    Posted by タバタ at 2006年03月09日 09:51

    こんばんは。

    僕の好きな言葉に、こんなのがあります。

    「不便は上品である」

    ひっくり返すと、

    「便利ばかりを追いかけるのは、下品でもある。」

    となるかも知れません。

    ---

    ヒトの欲望、企業の利益、資本主義・高度消費社会がエスカレートして、
    この星とそこに住む生き物たちがそれに耐えかねてきた昨今。

    “ヒトという種の自然の動物”である僕たちは、
    僕たちの文明の進路やスピードを考え直す時を迎えているのではないか、と感じます。

    ---

    また。

    僕らは、ヒトだけのことを考えていてはダメでしょうね。
    森の動植物や、木々や、水のことを考えないと。
    それらは僕らとつながっているから。

    そうした「ヒト以外のひと」の迷惑になってはいけないなあ、と感じます。

    ---

    高速道路は、あったら便利。

    また、ある特定のヒト・企業・組織にとっては、あったら儲かる。

    ---

    でも、

    「あるといいな、は、なくてよいもの」

    という言葉もあります。

    自分の便利が、他のヒトや他の生き物、この星の迷惑になるなら、その便利は我慢する。

    そういう選択肢もありますね。

    ---

    僕個人は、この頃、生活の端々に、

    「今より、ちょっと不便に。」

    を心がけています。

    エレヴェーターでなく階段を使う、とか。

    コーヒーは好きだけれど、フェアトレード・オーガニックのもの以外は飲まない、とか。

    モノやカネを、できるだけ「なしで済ます」、とか。

    ---

    なので。

    “圏央道は必要か?否か?”

    という議論の以前に、

    僕は、僕個人の願いとして、圏央道はなしで済ませたいなあ、と感じています。

    ---

    …そんなことを、ひとり、ぼんやりと物思いました。

    おじゃましました。
    Posted by kuu at 2006年03月10日 17:21

    圏央道反対の署名をはじめ、反対の人がどれだけいるかを数えるのってむずかしいですよね。
    逆に賛成の人がどれだけいるかもわからないですね。
    内容をよく知らない人も多い。
    この知らないっていうのは問題ですよね。

    工事内容・原告の主張・被告の主張をわかりやすくまとめられたものが配られて、それをもとにみんなが考えられればい~な~。
    そこで多数決!

    (動物や植物が投票できれば圧勝ですね。)

    内容を理解しても賛成の人が多いのかな。。。
    みんな知らないから、『国が決めたことでしょ』『ならしょうがない』みたいになってることも多いと思うんだよな。
    Posted by shipo at 2006年03月14日 05:02

    とりあえず、賛成派の人たちと話をする機会がなかなかないのでポルコさんのコメントは嬉しいですよ。賛成派の人たちにはいつも「ガタガタ言うな」と棄て台詞ばかりで話し合いたくとも全然かんでくれないから。

    圏央道はここでないとダメって言う根拠ってなんなんだろう?日の出インターとあきる野インターが2kmしか離れてないのになぜいるのか?ってことはニュースステーションでもやってましたね。さらに、坂本さん達が土地を取られたあと、ふたを開けてみれば談合の巣…

    「公ということを知るべきです」っておっしゃるポルコさんに聞きたいな。「公」っていうのは国(お上)のこと?国民や住民のこと?わたしは、国民や住民つまりはわたしたちにとって利益があるかどうかが「公」という事だと思うので、一部の人間の利益を得るためにではなく、圏央道が本当に公共性があるかどうかが話し合われるべきだと思います。で、全然これまで、説明会でも公聴会でも土地収用委員会の公開審理でも話し合われてないわけだから土地をとりあげるのはまずいでしょう?
    話し合いもろくろくせずに、自分が得するからといって他人様のものを奪うのを世の中では「わがまま」と言います。

    圏央道は首都圏の渋滞の解消に寄与しないとか、輸送業界でも遠すぎるから使わないのでいらないとか言われ出してますね。そんなことがあちこちで議論されているけど、わたしは百歩譲って、もし圏央道ができたらすっごく便利になる人がいたとしても、立ち止まって考えたほうがいいのでは…と思ってます。

    圏央道って首都圏から50km圏を通るんで、わずかに残された自然がある場所ばかり貫くんですよね。
    これからのことを考えると、道路がバーンとあってどこに行っても同じようなロードビジネスばかりでなんていうのより、子供も安心して育てられる自然がたくさんある住環境を残して行くほうが、わたしは公共性があると思うんだけど。

    思い浮かべちゃうんですよね…
    あきる野インターのある場所は、ついこの間まで緑あふれる川沿いの素敵な場所だった…あの風景は二度と見れないんだなぁ。
    今はコンクリートの橋脚が墓標のように立並んでいます。
    わたしたち、こんなことばかりしてていいのかなぁ、って。
    Posted by サカタ at 2006年03月15日 05:44
    ※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
    上の画像に書かれている文字を入力して下さい
     
    <ご注意>
    書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

    削除
    圏央道あきる野裁判、判決は国の主張うのみ!
      コメント(7)