11月21日、ケンジュウの会に、いつもおもしろい企画を持ってきてくれる中園じゅんこさんこと、
まるじゅんさんが、来日中のインドの環境活動家ヘグデさんを高尾山に連れてきてくれました。
本当は、和居和居デッキに来ていただく予定だったのですが、デッキはご存知のように代執行…
まるじゅんさんは、国交省にヘグデさんが行くので代執行を見合すように要求してくれたのですが、
頭がガチガチの官僚たちには、その想いは理解不能だったようです。
でも、そんなことはおかまいなしにまるじゅんさん、楽しそう♪
というわけで、今回は裏高尾のわたしたちのツリーハウスで、
ヘグデさんを囲んでみんなでワイワイ話しました。
デッキの強制撤去のことを気にかけて、たくさんの人が参加!
焚き火を囲んで話はとまりませーん(笑)
ヘグデさんは、ケンジュウの会のアクションを知って「日本のアッピコ運動だ!」と二つ返事で来てくれましたが、
アッピコ運動のことをみなさんはご存知?
「アッピコ」とは、「抱きつく」という意味。文字どおり。
木に抱きついて、伐採を止め森を守るアクションなんです。
南インドのカルナタカ州で、木の伐採を阻止するため女性が中心となり
木に抱きつき、森を守り通したんです。
インドのカルナタカ州政府は、グッビガッデ村の人々の反対を押し切って、森の木々を伐採し、
材木用のチーク材の単一林を作ろうとしました。
伐採の強行の日に、村人たちは、身を挺してひとりひとり木に抱きついたら…
伐採業者は、木を切るのをあきらめ、中には感動し、村人を励ます業者もいたそうです。
村人たちは、一ヶ月以上、昼夜交代で見張りを続けました。
政府の役人たちは、そんな村人たちを説得するために、専門の学者を引き連れて村を訪れたそうですが、
学者たちは、現場を視察後、村人の主張のほうが正しい、伐採は中止すべきと進言し森は守られました。
ヘグデさんは、このアッピコ運動の指導者で、森林を破壊せずその恵みを最大限に活用し、
非木材林産物の研究もしています。
はぁー、なんで業者も学者もそんなにまとものぉ?うらやましー
日本では、有無を言わせず代執行…野蛮だよね。
ヘグデさんの森への想いが、みんなに伝わります。
この日は、いろんな人が来てくれました。
今度の総選挙で、八王子から出馬予定の民主党の阿久津幸彦さん。
今回の行政代執行なんてやり方は、ひどいッ!と立腹。
高尾山で起きている問題は、高尾山だけでなく日本各地で起きていること。
こんなシステムを変えていくために、がんばってくださーい!
ヘグデさんも、ここに政治家が来てくれるなんて素晴らしい!と大喜び。
公共事業をチェックする議員の会としても、一人の政治家としても
高尾山を応援してくれている川田龍平議員は、本会議に出席せねばならないので
ご本人は、参加できないけれど、秘書の松島さんがメッセージを携えて来てくださいました。
いつも高尾山のために、尽力してくれるサステナのマエキタミヤコさん。
実は、まるじゅんさんとは某広告代理店時代の同期!
広告のプロが二人も、高尾山の味方♪こりゃ、強いよー
マエキタさんは、永田町VS霞ヶ関の構図や日本のジャーナリズムの問題まで幅広く話してくださり、
わたしにとっては、今後のアクションのヒントがいっぱい散りばめられてた話でした。
コンゴのタティ君も参加。
コンゴは、政治的に大混乱しており、
キンシャサには二度と出ることができないと言われる強制収容所まで…
深刻な政治情勢について、いろいろ語ってくれました。
彼の話を聞いてると、国ってなんだろう…と思います。
日本には、いまは強制収容所なんてないけれど、
目に見えない檻があるのかもしれません。
国に対して「間違ってるかもよ、よく話し合おうよ」と言うと
それに対する答えは、行政代執行だからね。
高尾山の自然をまもる市民の会の事務局長橋本さんも参加し、
高尾山をなぜ守らなくてはならないのか、熱く語ってくれました。
橋本さんたちが守り続けてきたものを、わたしたち次の世代も守らねばなりません!
ツリーハウスの周りは、紅葉が真っ盛り♪
木漏れ日が、黄色や赤い葉っぱをさらにキラキラに見せてくれます。
みんなで飲んだり、食べたり、楽しい時間。
和居和居デッキは、強制撤去されても、
わたしたちが、こうやってつながることのできる時間と場所を持っている限り、大丈夫!
最後に、ヘグデさんたちと高尾の木々をアッピコ!
冬が間近な森の中、木々たちはトンネル工事の喧騒を見つめながら
静かに、凛と、立っています。
そして、可愛いリスたちには、食べ物を与え、
落ち葉をたくさん落として、土壌生物たちに寝床を与え、
新しい土を育み、小さな草たちには、春まで暖かな命のベッドを与えます。
そして、わたしたち人間には、清浄な空気と
このうえないリラクゼーションを恵んでくれる木々たちに
最大限の敬意をはらい、トンネルから守るという恩返しをしたいのです。
ヘグデさん、ありがとう!
ヘグデさんがケンジュウの会のアクションを「日本のアッピコ運動」としてインドの新聞に掲載してくれました
インディアン・エクスプレス・バンガロール紙
「日本でもチプコー運動、木を抱きしめる女性たち」 バンガロール:2008年11月24日
木を抱きしめることで森を守る非暴力の運動が、日本でもポピュラーになり始めている。東京から30キロのところにある高尾山の森を守るために、日本の環境活動家たちも、このガンディー的なやりかたを採択した。
チプコー(=ヒンディー語で「抱きしめる」)運動は、1973~74年ごろ、当時はウッタル・プラデシュの一部であったウッタランチャルのレニ村で、ガウラ・デヴィが木を伐採から守ろうとしてはじまった。その後ヒマラヤ地方全体に広がり、この運動の指導者のひとりであるスデリアル・バフグナー氏の弟子、パンドゥラング・ヘグデ氏がこれを南インド・カルナタカ州に広め、アッピコ(=カルナタカ州の地方の言葉カンナダ語で「抱きしめる」)運動と呼ばれるようになった。
日本政府は圏央道のためのトンネルを高尾山に建設しようとしている。政府はこの工事により山の生態系を破壊することはないと明言しているが、環境活動家たちはまだこの論拠を受け入れてはいない。
ヘグデ氏は先週日本を訪問し、同国の状況を憂慮する環境活動家たちにチプコー(アッピコ)運動の考え方について説明した。
この影響を受け、日本でも、坂田昌子さんや中園順子さんら女性活動家たちが高尾の森で木に抱きついた。「高尾山は霊山であり、自然の絶妙なバランスを人間は2度と作ることはできないから高尾山を守るべき」と中園さん。「二度と回復できない、やり直すことが許されないことをするのは愚行。非暴力なやり方でわたしたちは高尾山を守りたいし、ガンディーが始めた伝説的なやり方を受け継ぐことは光栄」と坂田さん。高尾山は日本でもっともたくさんの登山客が訪れる山。日本の生物種の55%をここで見ることができる。この豊かな生物多様性が、すぐ近くの東京という大都市と共存しているという事実は他に類を見ない。
ヘグデ氏によれば、インドの古典音楽に深い造詣のある舞踊家、松尾久恵さんは次のように述べたとのこと。「この素晴らしい自然は歴史的に守られてきた宝物であり、これを守り続けるのは人類の責任なのです」
チプコー運動は政治的指導者にとってもいまや大きな障壁となった。
この環境イベントには阿久津幸彦前衆議院議員も出席し、川田龍平現参議院議員も残念ながら国会で同席は叶わなかったが、書面でチプコー運動を支持するコメントを発表した。
(翻訳:まるじゅん)
マエキタミヤコさんがフィガロに記事を掲載してくれました
マエキタミヤコ フィガロの記事
http://column.madamefigaro.jp/culture/eco/post-79.html
川田龍平議員からのメッセージ